コンピュータ導入の変遷

理振法によるプログラム計算機が数学科へ
 1970年代は世の中も落ち着き、高度経済成長時代を迎え技術革新が叫ばれる時代であった。
 数学科へ理振法によるプログラム電卓が入り始めた。T型、U型の導入開始初期の頃は、標準的な学校で32万円あまりの機種数台の導入であった。アセンブラもどきの言語で、各社の仕様が統一されておらず、その上実用的なソフトはなかった。現場の担当教師のプログラム作成と数学部会研究部などの情報提供で活用が図られた。
 県内では、ミニコン仕様の授業分析機器(アナライザー、S-P表分析)の研究指定で、オリベッティとNECのスピーディーシステムが星陵高校と西宮南高校へ導入された。両者ともBasic言語が付属し記述式言語として現場サイドに適合した自作の成績処理ソフトが教師によって作成可能になった。神戸甲北高校でも私の在任中に研究指定を受けた。付属のカードリーダーと自作ソフトにより授業の分析が行われた。神戸甲北高校の数学科では生徒も参加したデータの蓄積による個別指導の試みを行った。
 1978年、シャープのMZ-80、1979年のPC8001と、大きな画面のBasic専用機が個人ユーザーにも手の届く価格で販売された。
統一されたBasic言語が用意されているパソコンが複数台入ることで、校務関係のソフト開発が進み授業への利用が可能になった。数学では、言語教育・グラフ表示の理解などへの利用が高まった。

CMI
 漢字の出力、マークカードリーダ、プリンタ等周辺機器の整備が進むにつれて、事務処理機として学校に必要な備品となっていく。
 1985年の一太郎(ver3)の発表は、ワープロ専用機に変わるものとしてパソコンの現場への導入に拍車をかけた。  手作業ではなかなか出来なかった授業分析機としてパソコンが注目された。S-P処理と注意係数の算出、相関係数や偏差値換算などの進路データの抽出、入試処理などに使用された。その結果、機器を扱う教師が多忙になってきた。教育面での利用により、CMIという言葉が登場した。 Computer managed instruction=コンピュータ利用教師支援システムである。図式化すれば、パソコン←→教師←→生徒となる。

CAI
 1980年代後半になると、授業への機器利用という積極的な施策もあり、全ての普通科へ24〜48台の導入がなされ、パソコン教室が設置されるようになった。コンピュータを使った授業での利用はCAIといった。Computer assisted instruction=コンピュータ支援授業である。
 機械的な冷たい印象を避ける意味でCALといういい方もあった。Computer assisted learning=コンピュータ支援学習である。教師←→パソコン←→生徒となる。

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