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 酒、ご法度にもお国ぶり 高野山に「般若湯」あり

 外国を旅行していると酒にまつわるおもしろい現実にぶつかる。一番、困ったのはエジプトへ行った時のこと。イスラム教の戒律でエジプト航空機内はアルコールは、ご法度。クレオパトラのような美人スチュワーデスに猫なで声で注文しても「ナイスラーム?」とすげない(持ち込んで飲むのは規制しない)。乗ってからハットしてもだめ。「アラー(イスラムの神)えらいことになったぞ。旅行中、禁酒か」と覚悟したが、やはり観光でかせぐためだろう。ホテルなどではエジプトビール「シテラ」などが出たので、ハットしてアラー!。ただし、高い。が、ステルほど売ってくれる。
 高野山で同じような経験をした。真言密教総本山なので「酒はだめ。酒屋で『般若湯』(はんにゃとう)の名で酒を売っているので、買って、こっそり飲む」と聞かされ、その通り般若湯を買って持ち込んだ。が、宿坊で夕食の注文を取りに来た若い僧侶が「日本酒にしますか、ビールですか」に、こりゃ"ナンニャ、ハンニャ"。
 四年前の八月、あの莫高窟仏教壁画で知られる中国・敦煌へ行った時のこと。帰りに砂漠の空港レストランの昼食にビールを注文したら予約以外はだめ。隣のテーブルに並んでいたのを羨望の"ナマコ"で見ていたら、男女グループが座り「カンペイ!」とやっている。やがてフライト時間が迫り、搭乗したら、さっきのカンペイグループが乗り込んで来るではないか。操縦士らのクルーだったのだ。さすが、おおらかな中国大陸的ムードに"すっトンコウ"(もうこんな光景は見られまいが)。
   (九十年九月号)

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