阪神大震災と学校の周辺  NEXT


 ◆悲惨な状態と日常生活の同居 1/29

 ひさしぶりに、スーパーに買い物に行きました。一時、買い占めのパニックが起きて店にも入場制限をするほどの凄い人だったのですが、通常の賑わいと変わりません。
近郊の「須磨パティオ」の時計が止まっているのと、靴売り場の繁盛していることが目立つ程度でしょうか。神戸市といっても北部の地域は、1月17日以前の世界なのです。灯油も品切れというわけではなく、購入している人は普段の日曜日よりもむしろ少なめでした。各家に、備蓄の灯油がだぶついているのかもわかりません。
今回の震災は、ダメージを受けている地域、人々とそうでない人が同じ市にいる言わば不平等な災害なのです。その中で、災害を受けなかった市民がどのように支援活動を行うのかが問われているといってもいいと思います。

 昨日は、早めに学校を出て気になった方を尋ねて三の宮までいきました。神戸駅までは、一応臨時バスも運行し、地下街のトイレは水も出ていました。そこから、元町のアーケード街を、神戸大丸方面に歩いていったのですが、関西人のたくましさというか、帽子の安売り、店の商品の半額セール、パンのコーナーとかもありまして客を呼ぶ掛け声が響きます。この辺りは普通、コーヒーは、350円から400円はするのですが、紙コップで100円でした。歩道に店内は使用できないので、歩道に持ち出した椅子に座ると200円。「被災者には全店半額奉仕」という張り紙などもしてあります。震災後10日目の三の宮は、それなりの活気がありました。建物は、それは酷いもので、テレビで映し出されている通りです。本来、垂直に天を突いているビル群が斜めになったり途中のフロアが潰れている景観を見ると、船酔いに似た感じになります。研究会の会場でお世話になった「コンピュータスクールメロン」のビルは立ち入り禁止で、連絡先に電話がはってありました。酉のからあげがおいしかった「ミュンヘン」はコンボで崩されている最中でした。家族でよく待ち合わせ使った「そごう」の入口は無残に潰されていました。  明らかにカメラアングルを狙った10数名のカメラマンも大勢いました。哀しい観光名所になっているのかも知れません。私は、スケッチが好きで、どこにいくのも鞄に入れてますが、さすがに今回はスケッチをする気にはなれません。美しい記憶に残したい風景にこそスケッチは似合います。

阪神大震災と学校の周辺  NEXT