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 年々ひどくなる黄砂

―白山が“黄山”にー

 朝日友の会で発行している「アサヒメイト第293号」平成14年8月1日号(発行所/朝日友の会事務局)から転載。

◇中国は毎年、鳥取県面積が沙漠化

 西日本一帯に降る黄砂は、かつて春の訪れを告げる風物詩だったが、最近は詩的ど ころか“死的”なほど被害が深刻。4月10日に神戸で視界が3`、六甲山がかす み、同20日の朝日新聞は加賀の白山(標高2702b)斜面の雪が黄砂で“黄山” になった航空写真を掲載。北京やソウルではマスクをして歩く市民の姿がテレビで放 映され、ソウルの空港では離発着を見合わせ、学校が休校になった。
 中国・黄土高原からタクラマカン、ゴビ沙漠にかけ舞い上がった砂が、季節風に 乗ってくるためだ。温暖化も影響し、中国では年間に鳥取県の面積分(3000平方 `)が沙漠化、既に国土の25%(246万平方`)が沙漠化した、と「02年中国 環境状況報告書」の内容をY紙が報じた。

◇ 砂塵暴、2日で日本へ

 黄砂で思い出すのは、3年前、中国・西安から北上して黄土高原〜内蒙古自治区ま で800`を旅した時の印象だ。黄土高原というだけに、黄色い土層が目立つ。干ば つでトウモロコシがすらり立ち枯れていたのが印象的。ゲートを通ってテンゲル沙漠 に入ると、一面、黄土世界が広がる。強風で出来た風紋が美しい。砂を手に取ると極 めて微粒、「沙塵暴(シャーチェンバオ=砂あらし)が吹くと、舞い上がって2、3 日で日本へ行く」(現地人の話)。こんなのが、どっと降ってきたらたまらない、と つくづく思った。

◇ 降る降る砂は300万トンも

 もっとも中国政府も緑化に懸命。空から種を撒いたり、「沙漠化防止法を制定」と 新聞も報じた。が、日本に黄砂が降る回数は年々増加、気象庁などによると、黄砂確 認は一昨年が800回で、前年の2・7倍、年間200〜300万dと推定。黄砂に は炭酸カルシウムが含まれ、酸性雨を中和する効果があるそうだが「日本は今日も黄 雨だった」では歌にもならない。(元朝日新聞編集委員 吉原 暢彦)


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