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増えるエコノミー症候群
朝日友の会で発行している「アサヒメイト第297号」平成14年12月1日号(発行所/朝日友の会事務局)から転載。
▽サッカー選手も入院
楽しい米国旅行が終わり成田で地上に降りた途端に愛知県の53歳女性は気分が悪
くなり、心肺機能停止で死去ー最近こんな「エコノミークラス症候群」が問題化して
いる。回復する客も多いが、長時間の座席で足の静脈に血栓が出来、降りる時に肺に
詰まり呼吸困難になる。今年4月、日本サッカー選手(23歳)がポーランドから帰
国後に肺動脈血栓症で入院。ワールドカップ日本代表からはずれた。彼はビジネスク
ラスだったが。
▽成田死亡の半数強が症候群
成田空港内の医大空港クリニック統計では92年の開業以来、死亡した患者46人
中、25人がエコノミー症候群だった。日本旅行医学会によると、発症者の平均年齢
は61歳、エコノミー席(エコ席)の中高年に多く、搭乗時間は8時間以上。だが、
T選手のようにビジネスやファーストでも発症しており、誤解を解くため「ロングフ
ライト症候群」に変更の案も出ているとか。
▽機体と体力進歩に同調しないエコ席
機体と体格の急進歩に同調しないエコ席が多発要因との見方がある。かって北回り
は6ー7時間飛行しアンカレッジで2時間給油休憩した。これが体の調整に良かっ
た。が、今は世界のほとんどをノンストップ飛行できる。なのに利益がビジネスの8
分の1ともいわれるエコ席の改良は進まない。業界標準のシートピッチ(前の席との
幅)はエコ席が74〜78a、ビジ席は114〜130aで40−50aと格段の
差。体格は向上するばかりで狭さは“窮倍”。南米からの帰り、最後の12時間、た
まりかねビジネス席で“天国と地獄”を体験した。「ビジ席は社用族が多く、エコ席
は、ほとんど“自腹族”。その自腹族が全座席の9割以上を支えているのだぞ」と愚
痴の1つも言いたくなる。日本航空の「エグゼブティブ」はなんと157a、後ろへ
170度倒れ、「シートからベッドへ」とPR。ならば“自腹族席”は“苦難シート
から忍耐バッド席”と言えまいか。(元朝日新聞編集委員 吉原 暢彦)
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