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宮内庁御料牧場
朝日友の会で発行している「アサヒメイト第299号」平成15年2月1日号(発行所/朝日友の会事務局)から転載。
▼甲子園球場の63個分
皇太子ご夫妻のご長女、愛子さまが10月末に御料牧場で牛と遊ばれる姿をマスコ
ミが報道して話題になった。正式には「宮内庁御料牧場」といい、筑波山を望む標高
145bの丘陵地(栃木県高根沢町)にある。なにしろ甲子園球場が63も入る25
2fという広大さ。皇室用の家畜の飼養、牛乳、乳製品の生産、ハム、ソーセージ、
ベーコン、缶詰、そ菜などを生産。牧場長以下、庶務、畜産、農産の3課、14係あ
る。ここで馬40頭、乳牛30頭、めん羊430頭、豚90頭、鶏1300羽、キジ
70羽を飼っている。採卵鶏はケージではなく地面で平飼い。そ菜類はトマト、レタ
ス、大根など20種類を有機栽培している。牧場内では新馬の調教や、のんびり草を
はむ牛、めん羊の姿が柵の外側から見られる。春には桜も見事という。他に庭園、樹
林地も。
▼成田空港建設で移転
歴史は古く明治8年(1875)に千葉県下総(現在の成田市三里塚)で内務省の
下総牧羊場として設置された。その後、農商務省に移管、下総御料牧場と改称され、
宮内庁施設の御料牧場となり、今年で127年の歴史を刻む。昭和44年(196
9)には新東京国際空港(成田空港)設置計画に伴い、現在地に移転。その跡は「三
里塚御料牧場記念館」になっている。
▼駐日外交官の接遇にも使用
牧場といっても貴賓館があって皇室の利用のほか、各国の駐日大使らも招く。毎
年、新緑のころ駐日外交団を招待し、乗馬、散策、サイクリング、昼食会などが催さ
れる。宮内庁の資料には、外交団が2頭立て馬車で牧場内を回ったり、サイクリング
を楽しむ風景写真などが掲載されている。
それはともかく、‘うん年’後、愛子さまの騎乗姿が柵の外から見られるかも。
(元朝日新聞編集委員 吉原 暢彦)
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