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 日本の楊貴妃伝説


 朝日友の会で発行している「アサヒメイト第305号」平成15年8月1日号(発行所/朝日友の会事務局)から転載。

 中国の楊貴妃(ようきひ)といえばエジプトのクレオパトラと並ぶ絶世の美人で玄 宗皇帝を夢中にさせた妃。世は乱れ、西暦756年に安録山の反乱で皇帝と逃げる途中、馬嵬(ばかい)で殺害されたとされる。が、実は日本に逃れたとの伝説がある。

【楊貴妃の里】

 日本海に面した山口県長門市油谷(ゆや)町。同町の二尊院に残る古文書などによると「殺された妃は身代わりで、楊貴妃は舟に乗せられて漂着後、死去、住民が二尊院に葬った。夢でその死を知った玄宗皇帝が供養のため、2体の仏像を贈った」と。“ふるさと創生事業”として5億円を投じて平成5年「楊貴妃の里」が完成、中国産煉瓦を敷き詰めた広場に中国風の休憩所、楊貴妃桜の散策路なども。「楊貴妃墓に手を合わせると安産で可愛い子が生まれる」と人気とか。本場・西安市製作の高さ3・8bの白亜の楊貴妃像もそびえ立つ。
 中国の楊貴妃墓公園へ行ったことがある。馬嵬は西安市から西へ60`離れた寒村 だった。が、油谷町パンフレットは楊貴妃像も含め本場とそっくり。本場の墓は煉瓦 で固めたまんじゅう型。土まんじゅうだったが、この土を顔に塗ると美人になると持 ち去る人が多く、煉瓦で覆ったという。日本の墓は五輪塔だ。特産品売場には人形、 せんべいなど楊貴妃グッズも売っている。JR山陰線人丸駅からバス30分。朝日旅 行会が7月25日発で、楊貴妃の里を含めた「長門・周防の遺跡めぐり」2日間の旅 を企画している。

【泉涌寺の楊貴妃観音】

 京都・東山三十六峰南端の月の輪山ろく、泉涌寺には楊貴妃観音堂があり、楊貴妃 観音が安置されている。妃の死後、冥福を祈って玄宗皇帝が造らせたといわれ、それ を留学した同寺の湛海(たんかい)宗師が建長7年(1255)帰国に際して勧請、 持ち帰ったものという。なるほど、ほれぼれする美人。当初は秘仏だったが、今はい つでも拝めます。同寺は皇室の菩提所で天智天皇以降の歴代天皇、皇后、親王のご位 牌が安置され“みてら”と呼ばれている。京阪、JR奈良線とも東福寺駅下車500 b。 (元朝日新聞編集委員 吉原 暢彦)


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