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京都御室・成就山八十八カ所巡り
朝日友の会で発行している「アサヒメイト第313号」平成16年4月1日号(発行所/朝日友の会事務局)から転載。
★京都市内の巡拝コース
四国八十八カ所巡りをする人が増えているという。そのミニもあちこちにあるが、
京都・仁和寺境内裏山「成就山八十八カ所めぐり」は標高約260bの山肌に瓦葺き
の、お堂が並んでいてミニハイキング感覚で、巡拝”した満足感に浸れる。これから
季候もいいし、健康も兼ねて約3`、約2時間半コースを歩いてはいかが。
まず仁和寺の受付で「巡拝案内図」をもらう。奥の金堂で手を合わせ、西門を出て
150bほど歩くと、第一番札所・霊山寺(阿波・徳島)。線香の香りが絶えない。
そばに弘法大師行脚像が立っている。四国の霊場は大師が開いたので、ここのミニお
堂にも総て大師と、各寺の本尊が安置されている。先を見ると二、三番の堂が見え
る。「マムシに注意」の看板に心が引き締まる。そういえば道の両側は草などが繁っ
ている。本当の巡礼では菅笠に「同行二人」(大師と道連れの意味)と書き、白装束
姿で歩く。白装束は「死出の旅姿」。持つ凡字を刻んだ金剛杖は、「行き倒れ死」し
たら、墓標として使ってもらう意を込めている。我々は省略。イラストレーター永井
さんとのさえない“同行二人”。
★本場各寺の砂を埋める
この霊場は四国まで行けない人のために177年前、仁和寺二十九世門跡の命で寺僧
が本場の寺を回って砂を持ち帰り、各堂に埋めたのがルーツという。ほとんど高さ3
bもある立派な堂だ。石畳の道もあるが地道も多いし、アップダウンもかなりある。
十四番常楽寺へは11段上がる。さらに23段で国分寺。目の前に双ヶ丘など視界が
広がる。赤松、クリ、リョウブ、ミズナラ、アラカシなどの木が多い。二十三番津照
寺で正午になり、四十八番西林寺で頂上に。35分かかった。五十番繁多寺当たりか
ら見ると向かいの山に登って来た堂が見える。やがて見晴台に。ベンチもある。東山
連峰や京都タワーも小さく。
★鎖で上がる円明寺
下りになったが油断できない。伊予(愛媛)五十三番円明寺は岩の上にあり、鎖が付
いている。永井さんがへっぴり腰で上がった。六十四番・前神寺そばに池があった。
この辺から車道と交差、讃岐(香川)六十八番神恵院は池の中にあり橋を渡る。ヒゴ
イが悠然と泳いでいた。六十九番観音寺付近では不法投棄が目立ち俗世界へ下りた感
じに。最後の大窪寺は立派だつた。鐘を突いて結願の手を合わせた。毎日ランニング
する人、ゆっくり巡る老夫婦も目立った。JR京都駅からバス40分で仁和寺。
(元朝日新聞編集委員 吉原 暢彦)
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