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 酒にまつわる名言

酒にまつわる名言、名句は多い。時に迷言もあるが。左党はすぐ「酒は百薬の長」(中国・班固)、「酒に十の徳あり」(大蔵虎明)を挙げて効能を説く。つまり、延命長寿、独居の友など十の恩恵があるとのたまう。確かに「酒は憂いを払う玉箒」で憂さ晴らしにはなる。
「ワインを飲んでいる時間をむだな時間だと考えるな」(ユダヤの格言)も含蓄があるようだ。一人で飲む時間は思索にふけることが出来、他人と飲む時間は人間関係を深める。「酒の徳孤ならず、必ず隣あり」酒好き同士はすぐ話し相手になるというではないか。
が、「酒はなお兵のごとし」(李延寿)。兵は武器のことで、使い方を間違えると身を害する。酒の勢いで喧嘩にでもなったら大変だ。「一杯は人酒を飲み、二杯は酒酒を飲み、三杯は酒人を飲む」(法華経)で、酒に飲まれるな。 必要なのは節度で「酒三杯は身の薬」。飲み過ぎると「酒極まれば、すなわち乱る」(司馬遷)。「酒が沈むと言葉が浮かぶ」酔いが深くなると、胸にしまい込んでいたことが、つい口に出てしまい、反省することになる。しかし「酒の中に真あり」(エラスムス)で、酔えば本性を発揮して、真実を語るようになるのも確か。でも「酒に酔うて虎の首」酔った勢いで、虎の首を取ったような大言壮語を吐くのと、「酒飲みの繰り言」だけは慎みたい。同じ愚痴を何度でも聞かされる方がたまったものではない。
ところで最近のジャパンはバブル崩壊以後、株価までジャポンと一時、半値以下に沈んだ。倒産が後を断たず。世直しを願えど野党はだらしなく、政権交代の期待できず。もう「酒でも飲まなければ、あんまり世間がばからしくて…」(林芙美子「放浪記」)の状況ではないか。                          (九十二年十一月号)

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