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郷土づくしの「おせち料理」で大満足


加能人 2003年2月号掲載


 かぶら寿司に能登の、このわた、ゴリの甘露煮や棒鱈旨煮…を前にして、波の花など厳しい故郷を思い浮かべながら迎える正月。
別に取り寄せた「天狗舞」など地酒が胃にしみて、もう最高。県外に住む石川県人が望む迎春の一コマではないか。
 この正月、初めて味わった能登・和倉温泉「加賀屋のおせち料理」は極めて美味だった。大阪のホテル内にある料理店「加賀屋」で食事をした時に、おせちの注文はがき付きカラーパンフレットを見たのがきっかけ。その、はがきで注文、3段重3万円(税別)のみ。
大晦日の正午にクール宅急便で届き、引き替えに料金を渡した。大阪のデパートなどに並んでいる一般的「おせち料理」はどうも、色かまぼこが多く、見栄え中心のようで興味がなかった。
 が、何度か加賀屋に泊まったことのある家内が「あの加賀屋のおせち料理なら一度食べてみたい」と言い出した。
 なるほど、重箱もなかなか立派。地元名産食材をふんだんに使い、深い味わいで、料理1つ1つに手が込んでいて、さすが、と思った。包装も「ワサオーロ」(ワサビの汁をかけてあり、腐りにくいとか)を使っていた。
   まずメニュー(写真左から)。
 ▽一の重=かぶら寿司、日の出伊勢エビ黄金焼き、子持ち昆布、能登このわた(竹筒いり)、甘鯛西京焼き、加賀手毬麩、カジキマグロの昆布じめ、葉地神(生姜)、黒豆金箔(竹筒いり)、合鴨薫製
 ▽2の重=紅白花レンコン、シイタケ最中(中身はカニ真丈=カニのすり身、すったやまいもなどを加えて蒸す)、ウナギ巻き玉子、ゴリ甘露煮、糸掛け蒲鉾チーズ、栗きんとん、くるみかつお、アユの昆布巻き、花百合根、太刀魚八幡巻き、田作り(容器いり)、数の子(醤油漬け)
   ▽3の重=蒟蒻玉旨煮、能登白梅貝、棒鱈旨煮、マツタケころ煮、梅人参、能登ア ワビ酒蒸し、亀筍旨煮(亀形にしたタケノコ)、子芋白煮、車海老艶煮、鈴くわい旨煮(鈴の形にしたクワイ)。
 車エビなど5匹入っているので料理は4、5人いける。一部を昔、買った輪島塗の高価な沈金重箱に入れてみたら、一段と豪華に見えた。 人それぞれの好みもあるが、このメニューから、いろいろ想像して下さい。「たまにはこんな正月料理もいいなあ」というのが我が家の結論だった。「ふるさとは遠くにありて思うもの」しかし、簡単に取り寄せて味わえる時代になった。(根上町)

元朝日新聞編集委員   吉原 暢彦

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