阪神大震災と学校の周辺  NEXT


 ◆5、6日目。雨。 1/22

 昨晩は、また交代で学校に泊まりましたが、ほとんど眠れませんでした。2日前と比較して、物資もかなり大量に豊富なものが入るようになりましたが、被災者の方で体育館に入っておられる方が1300人おります。同じものが配付できるだけの量が入らないとアンバランスになり、なかなか配分に苦労します。何が、いつどの程度搬入されるのかは、わかりません。本部の物資の集積場に、全国から物資が入ってきます。某会社では、搬入物資とそれを指定の場所にセットする人数も揃えてこられました。深夜、大量の水が到着しました。
昨晩、10時頃に北九州市から医師・看護婦・保母総勢30人と医療品を搭載した大型バスが入ってきました。一行はそのままバスにその日だけ寝て今日からは神戸市が確保した宿舎に移るとのことですが、本校を拠点に付近の被災者の方々の診療もするという事でした。今朝は、さっそく保健室を使用しての診療活動。手洗いの消毒液の設置などをてきぱきされていました。北九州市で医療機関にボランティアを募り北九州医療団というキャラバンを構成したようで、看護婦さんにお聞きするとかなり多くの希望者が出てその中から選ばれたとのことでした。3日間神戸にいて後半のチームと交代し必要であればさらに支援を継続するということで診療所の開設をするとさっそく身体の不具合を訴える方がつめかけていました。このような救護施設はひっぱりだこです。
今朝、5時ごろ雨が降り始めたので、雨傘置を置きました。この雨で、かなりの地崩れの避難勧告が出ました。見回りの途中に寄られた自治会の会長さんと話しました。家のドアをチェーンでまいてもそれを切って入り込む火事場泥棒がいること。ご本人もまとまった睡眠は2,3時間とか。また昨年発作をおこしニトロをポケットに入れての毎日の激務とか。
今朝の皆さんの朝食は、パン一個。大きな牛乳パックの5分の1、ヤクルト1個でした。温かい給湯設備が整いましたので、昼はラーメンなどの配付もできます。
学校関係者も他校では校長、教諭、生徒と何人か亡くなってます。本校関係者は、教師の全員無事を確認し、生徒はかなり安否の確認が進んでいますがでもなお40人ほどは未確認。主に電話がかかりにくいことによるものです。本校は全県学区なので交通網寸断で掌握がむつかしく生徒の避難所もわかりません。
午前中に、さらに仮設トイレが14基セットされました。また、仮設電話の申込みの返事がやっといただけました。
昼と夜の人口差は200−300人。避難場所が生活の場となりかかっています。県の方も避難されている方の生活を壊さないということをいってますが学校が再開されると撤収しなくてはならないとか、仮設住宅の申込みは締め切られたというようなデマも流れているようです。
昼に職員の招集をかけて今後の学校の運営について集会を持ちました。校舎の安全確保、被災者の方の校舎使用、通学ルートのない生徒が大量にいる、職員・生徒の罹災者がいて教師の確保が困難、備品・設備の整備、深夜詰めのローテーションなどどれをとっても難しい条件との取組が続きます。私の家も、水道が今日も出ず、風呂とか洗濯が×です。都市機能へ打撃と影響は様々な形で全市民に影響を与え継続しています。避難所での生活者が30万人、断水は80万人でしたか、いずれにせよ数が多すぎて行政の方も大変でしょう。必要な物資の流れをよくすること、電気・水道・ガスの安定提供と住居や道路網の整理など見通しが欲しいです。
 

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