阪神大震災と学校の周辺  NEXT


 ◆いろんな応用問題が 2/8

マニュアルにはない緊急事態の問題が次々と出てきます。また、報道すべきことが一巡すると今度は、マスコミの話題性を追求する報道姿勢との付き合い方も慎重にしなくてはいけないようになりました。
このあたりの被災地区にある学校で深刻に対応がせまられているのは、どの時点で学校が正常に運営されるのかその方向が見えないという事です。
避難されている方に学校の施設を提供している学校でも体育館のみの提供か各教室までかで異なりますし、校舎自体に被害を受けている場合もあります。高校についていえば、被災地域の学校で普段の6時限を50分の平常タイムでやりきっているとこはまだ聞いていません。かなりの家は、まだガスと水道が止まったままです。その中で校内食堂が運営できない中で、弁当を持ってこれない中で生徒を終日学校にこさせらるか、交通遮断状態の尼崎方面から神戸に来る教師を、9時ごろに出勤させることができるのかという問題もあります。一方これだけ長期に授業の補充のない状態を続けることは学力の低下とか履修時間数の確保など学校としてあり得るのかという問題も出てきます。短縮午前中とか、1年と2年を午前と午後に分けて授業とか、もっと厳しいところでは、1年と2年をそれぞれ他の学校の3年がいない別の学校の教室で行っているところもあります。中学では、グランドにテントを張ってその中でやっと授業再開というところもあるようです。人的、物理的被害は大きいのですが、学校一つをとっても制度的なダメージも大きく今までに想定しえなかった問題と次々向き合っていかなくてはいけません。ここで述べた問題は、被災地区のある学校の共通して抱えている問題でもあります。

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