阪神大震災と学校の周辺  NEXT


 ◆学校再開の準備に向けて 1/31

 校内に水道管は、ピロティなどの地下の敷設部分は、かなりの損壊が発見されそれらの枝わかれしている部分のバルブを閉めて、なんとか給水塔の水漏れが止まったようです。I棟が87mmほど沈下しているようですが、その外は致命的な建物の欠損はなく渡り廊下も業者の補修が間に合いそうで、被災者の方の居住区を除けばなんとか生徒が登校しても教室に収容できる目処も立ちました。こういう時に、建築科とか土木科、機械科の専門科の教師が測量や図面の点検など手際よくやって説明してくますので助かります。普通科の高校だとこうは、いきません。
 授業の再開について正常化まで10段階にしたマニュアルとか出来上がってそれを確認して現在、4段階ということで、作業分担が本来の学校の組織を使って流れ出しました。当初は、宿泊できるもの自分の家や実家に被害のなかった教師で持ちこたえた連日の作業もそれなりに、正常化され事務室の整理もかなりされて来ました。
 3年生については、1、2学期の成績をベースに学年の評価を出し、次回の学年別登校日以後は、家庭学習に切り換えます。補講の必要な生徒だけ個別指導をして単位認定作業に入り卒業式までの日程も進めることができます。問題なのは、1・2年の授業数確保です。学年別に登校してその後の生徒の状態や教科書の欠損数を調べて、6日から10時から3時間だけ短縮授業を試行します。1−3、と4−6時限を交互に1週ずつ行うことから始めます。通学ルートは地域的に非常に偏りがあり、全県学区のために阪神地区の生徒は交通事情の悪化の中でどう対応することができるのか、こちらは事例的にも研究課題でしょう。居住地に近い別の高校での授業ということもいわれていますが、学科が同じものがない場合とか、進度の問題など専門学科間では難しいでしょうね。
 今は、3年の卒業式をどのように、どこで行うのかを考えています。その後、高校入試などは、全県的なスケジュールで動いていますので、被災者の方がとの共存の中でどう行うのか大きな講堂は近隣にないですし、、、、学校から卒業させてやりたいし。被災者が多すぎて学校の教室に収容せざるを得なかった近隣校では、学年別に他校を集合場所にしていますが、授業再開がより困難になるでしょう。また、交通事情の悪い教師は学校の図書室などに仮宿泊しての授業も考えています。仮設住居にしても必要な方全てにすぐ提供できるわけではありませんし、日々応用問題です。
最近、人探しに来られる方が多くあります。被災者の名簿の2版をつくりましたが、地域別、居住別、漢字コード別にソートした帳票が随分と役になっています。
帰りに学校の駐車場に留めてある乗用車の中に、犬が2匹入れられていました。避難所への犬の持ち込みは禁止してあるので、車が犬小屋になっているのでしょう。そのほか、被災者名簿に、居住区本校、駐車場というのもあります。

阪神大震災と学校の周辺  NEXT